10月の鳥取巡業中に起きた平幕力士・貴ノ岩への暴行事件は、

“実行犯”だったはずの横綱・日馬富士が引退してなお、

幕引きの兆しが見えない。

八角理事長(元横綱・北勝海)と貴乃花親方の対立が深刻化する中で、

新たな対立構図が生まれるとともに、

暴行事件の真相解明も本番はこれからとなる。

「八角理事長サイドはなんとか水面下でことを収めたい。

いくつかのルートで貴乃花親方に接触して、

和解に向けた交渉を試みているようですが、

貴乃花親方は完全に無視している。

八角理事長がほうぼうに頭を下げてコンタクトを取ろうとしても、

貴乃花親方が同じテーブルにつこうとしないのです」
(協会関係者)

貴乃花親方は、すでに執行部とも、

横綱・白鵬たちとも闘う準備を整えつつある。

九州場所千秋楽の後、

福岡県田川市内にある貴乃花部屋宿舎で行なわれた「打ち上げ」で、

貴乃花親方は多くの後援者たちを前に、

「一歩も退かず、正々堂々と戦い抜く」と説明した。

この発言も各メディアを通して拡散された。

「打ち上げでの様子がワイドショーなどで流れましたが、

これは貴乃花親方が出席者の動画撮影、

録音を禁止しなかったために起きたことだ。

カーテンも閉めず、

外からテレビカメラが窺えるようにしていた。

ワイドショーなどが、

あらゆる手段で音声や映像を入手しようとすることも分かっていたはず。

映像を流出させ、

自身の主張を世間に発信する。

すべては計算ずくだったのではないか」
(担当記者)

徹底抗戦の意志を明確にしているのである。

メディアに対しては今なお沈黙を守っている貴乃花親方の「次の一手」に注目が集まっている。

若手親方はこう言うのだ。

「貴乃花親方は巡業部長の更迭はもちろん、

理事からの降格処分も覚悟のうえで勝負に出ている。

事件の最高責任者として、

『八角理事長辞任』につながるまで、

矛を収めることはない。

また、

自らが現役時代から貫いてきたガチンコ相撲を角界全体に広げていく上で、

部屋を超えた同郷の付き合いを重んじるモンゴル勢の“互助会”は大きな障害になると考えられる。

事件を機に、

その解体まで見据えているんじゃないか」

だとすれば、

日馬富士が引退した今、

貴乃花親方と最も激しく対立するのが白鵬になるのは必然である。

「伸るか反るかの勝負に出た貴乃花親方が、

仮に今回の権力闘争で敗れるようなことがあれば、

白鵬にものが言える人は角界から一人もいなくなってしまう」

(同前)と危惧する声が聞こえてくる。

角界を揺るがす事件は、

新たな重大局面を迎えた。

12月2日放送の『ナイツのちゃきちゃき大放送』に、

大相撲に詳しい漫画家のやくみつるが出演。

かつて横綱・朝青龍が「出場停止」処分を受けたのに対し、

白鵬はなぜ処分を受けなかったのかを語っていた。

九州場所千秋楽の優勝インタビューでの問題発言により、

日本相撲協会は白鵬を呼び出し、

厳重注意を与えた。

現役力士が協会理事から呼び出されるのは異例だが、

処分はナシ。

朝青龍の場合は、

2007年に地方巡業を放棄、

母国でサッカーをしていたことで、

減給と2場所の出場停止という処分がくだされた。

この違いとは何か。

「なぜ白鵬にはこれ(出場停止)が下らないかというと、

白鵬は出場停止を “責め” と思わないだろう、と」

どういうことか。

「東京五輪までの間に、

『3場所に1カ所くらいずつ休んで、

力士生命を永らえながら続けていこうか』という節がある。

秋場所の休場なんかは、

そのモードではないかと相撲記者の間では言われている。

『無理して出る必要もないし』ってな感じで、

自分の体と相談しながらいこうかっていうモードにすでに入ってるので」

白鵬は東京五輪までは現役を続ける旨を公言している。

そのため、

それまでは全力を出さずに力をセーブしている可能性があるというのだ。

すると、出場停止の処分を下すことが逆効果になりかねない。

「1~2場所、出場停止なんかにすると、

かえって力がみなぎって、

その次の場所で強くなるっていう傾向が出てきかねませんので。

全然こたえないんですよね」

「横綱の品格」に問題がありながら、

処分をくだせない。

やくは「困ったもんだわい、と思ってますけども」と言うが、

相撲協会もまさに同じ気持ちなのではないだろうか。

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